2022年度に過労が原因で死亡するなどして労災申請があったのは、全国で約3500件で、これまでで最も多くなったことが厚生労働省から発表されています。また、「3500」という数字はあくまで労災「申請」に至った数なので、家族・知人等が過労死・過労自死の可能性があるのに、何をすればいいか、どこに相談すればいいか分からず労災申請まで辿り着くことができていない遺族は、それ以上に存在しているはずです。
このような状況を改善するために、私たちは国が定める「過労死等防止啓発月間」である11月に合わせ、実際に困難な過労死事件を遺族と支援者が一緒に取り組むことで労災認定や企業責任の追及を実現した複数の実例を共有するイベントを企画しました。当日は、私たちPOSSEで支援している過労死遺族の方に加え、すかいらーくやワタミの過労死問題に取り組まれてきた須田光照さん(全国一般東京東部労働組合)、さいたま新都心郵便局過労自死問題に取り組まれてきた倉林浩さん(郵政産業労働者ユニオン)にもお話しいただきます。
具体的な内容と登壇者は以下になります。
(1)遺族からの損害賠償請求から逃れるために会社を解散(「偽装倒産」)させた企業に対して、支援団体等と共に裁判を進め責任を認めさせた事例:Aさん(遺族)
・遺児が訴えた「震災過労死」 10年を経て加害企業の賠償責任を認める画期的判決
(2)現行法では家事労働者は労災保険が適用除外であるとして労災不支給となったが、支援団体等と共に社会発信をしたことで国が実態調査を行い、法改正等が見えてきた事例:Bさん(遺族)/佐藤学(NPO法人POSSE・総合サポートユニオン)
・24時間死ぬまで働かせても「合法」? 家事代行サービスの過労死事件で驚愕の判決
(3)遺族が裁判ではなく労働組合に加入し、会社との話し合いや社会発信を行うことで、企業の責任や再発防止等を認めさせたすかいらーくの事例。また、過労死を発生させた役員個人の責任や、通常の慰謝料よりも一歩踏み出た「懲罰的慰謝料」を認めさせたワタミの事例:須田光照さん(全国一般東京東部労働組合)
(4)「過労死ライン」(月80時間)を超える長時間労働はなくハラスメント・ノルマによる過労自死のケースで、証拠等が手元にない中、支援者のサポートを通じて社会発信をし1から証拠・証言を集め、労災認定や裁判で企業の責任を認めさせた事例:倉林浩さん(郵政産業労働者ユニオン元中央執行委員)
困難な過労死事件でも、裁判傍聴はもちろん、オンライン署名、メディア発信、抗議のアクションなどを支援者と協力して行うことで、労災認定や、会社の責任を認めさせたりすることができます。
家族が過労死してどうしたら良いかわからない、労災申請や会社への責任追及を考えている、取り組んでいる事件が困難で弁護士や支援団体に相談したけど断られてしまった方などがいれば、ぜひご参加ください。これから何ができるか、一緒に考えていきましょう。
2023年11月19日(日)
13時30分開始(13時15分開場)〜15時50分終了予定
現地会場・オンライン(zoom)の両方で行います。
現地会場は、渋谷区立勤労福祉会館(渋谷区神南1-19-8)の「第2洋室」になります。渋谷駅から徒歩8~10分程です。
以下のグーグルの申込みフォームにご入力ください。後ほど、個別にメールでzoomのURLをお送りします。
https://forms.gle/ub9XfrpDFkRWkXf97
電話やメールでの参加申し込みも可能です。会場に直接来ていただいても大丈夫です。
TEL:03-6699-9375 メール:affairs@npoposse.jp
無料
NPO法人POSSE(ぽっせ)
メール:affairs@npoposse.jp/HP:www.npoposse.jp
住所:東京都世田谷区北沢4-17-15 ローゼンハイム下北沢201