11/27(日)【参加無料】 イベント「75年にわたる労基法の女性差別を変える〜家事労働者過労死裁判からみえる展望〜」を開催します!

署名提出の様子。画像はchange.orgからの提供

NPO法人POSSEが支援している過労死遺族が、国に対して労災認定を求める裁判を起こしています。2015年春に、住み込みの家事労働者として、1週間・24時間拘束労働をしていた高齢女性が亡くなりました。

しかし、国は家事労働者には労働基準法や労災保険は適用されないとして、彼女の死を過労死と認めていません。現行の労働基準法や労災保険は、家事労働者を「適用除外」とし差別しているからです。

現在、共働き世帯の増加や少子高齢化、社会保障の削減等の影響により、家事代行サービスは成長産業となっています。家事労働者も今後さらに増加していくことが予想されます。しかし、家事労働の現場では、「無権利状態」で働いている多くの家事労働者がいます。そして、家事労働者の9割以上は女性です。

9月29日に出された東京地裁判決は、残念ながら私たちの訴えを退ける内容となりました。家事労働部分は労働時間として認定されず、1日たった4時間半しか働いていないとされ、「過重業務していたとは認められない」と結論付けられました。このままでは、同様の家事労働者の過労死がいつ起きてもおかしくありません。原告は控訴し、闘いは続いています。

家事代行女性の労災認めず 女性急死 労働時間に算入せず 東京地裁が請求棄却(東京新聞・2022年9月29日)

その一方、問題改善に向けて大きく前進した部分もありました。10月14日には、国が家事労働者の実態調査を行い、来年度にも労基法改正を視野に検討を始めるという報道がありました。

家政婦の働き方 実態調査…厚労省方針 「労基法対象外」改正検討(読売新聞・2022年10月14日)

こうして国を動かすことができたのは、家事労働者の問題を「社会運動」として取り組んできた成果だと言えます。11月9日には、家事労働者へ労基法や労災保険の適用を求めるオンライン署名約3万5000筆を厚労省担当者へ提出もしました。

“家政婦に労基法適用されない規定廃止を” 遺族が署名提出(NHK・2022年11月09日)

1947年に現行の労働基準法が施行されて以降、75年間、家事労働者を労基法・労災保険から除外してきた差別的法律が改正される可能性が見えてきました。

今回のイベントでは、裁判を担当する担当する弁護士、裁判を闘う遺族、実際に家事労働者として働く当事者、裁判支援に取り組む支援者、女性労働問題の専門家からの報告と、それを踏まえた今後の展望を検討していきたいと思います。この問題に関心のある学生や若手社会人、家事労働者の方、過労死遺族の方など、ぜひ参加いただければ幸いです。

■参加方法

参加申し込みは以下のURLからお願いします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScN8J83JCJSAePkfxFyFCP5wn4TKU9tRnWq5b7Ax6MlLhB0pA/viewform

■日時

2022年11月27日(日)13:30~16:00

■会場

渋谷勤労福祉会館 第2洋室

・東京都渋谷区神南1-19−8(渋谷駅から徒歩7〜8分ほど)

※オンライン参加も可能です。

■プログラム

13:30 開会あいさつ

13:40 家事労働者過労死裁判の概要とポイント:明石順平弁護士

14:00 裁判を闘う遺族の想い:遺族

14:05 家事労働者の労働実態(事前収録した動画を流す予定です):現役の家事労働者

14:10 家事労働裁判支援の取り組み:NPO法人POSSEボランティアメンバー

14:20 裁判の社会的意義:竹信三恵子氏

14:40 質疑/休憩

15:00 パネルディスカッション

15:45 閉会あいさつ

15:50 終了

■講師

明石順平氏

弁護士。東京都立大学法学部、法政大学法科大学院を卒業。主に労働事件を担当。ブラック企業対策弁護団所属。著書に、『アベノミクスによろしく』『データが語る日本財政の未来』(集英社インターナショナル新書)など。

竹信三恵子氏

和光大学名誉教授。朝日新聞社編集委員兼論説委員(労働担当)などを経て和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書)、『ルポ賃金差別』(ちくま新書)、『しあわせに働ける社会へ』(岩波ジュニア新書)、『家事労働ハラスメント』(岩波新書)など。2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞。

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