POSSE vol.51

『POSSE vol.51 第一特集 労働運動は「ジョブ型」とどう向き合うべきか?』

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A5判/256頁/本体1,540円(税込)/2022年8月31日発行




■vol.51目次
  2000年代後半に顕在化した正規・非正規の「格差」問題に対して、2010年代には安倍政権下での「限定正社員」政策に対して、本誌では労働運動の対抗戦略としての「ジョブ型」を特集してきた。
 いま、ジョブ型をめぐる議論はかつてなく高まり、新たなステージに突入した。背景にあるのは、90年代以降の「成果主義」の迷走を経て、経営者たちが陥った「危機」だ。労働者のエンゲージメントは国際的に最低水準まで落ち込み、グローバル化やDXなどのデジタル化に対応できるホワイトカラー人材の獲得も容易ではない。
 同時に、労働者たちもジョブ型に潜在的な要求を抱いている。歯止めのない不明瞭な「責任」のシステムが限界を迎えているのだ。責任の範囲の不確定さに若者たちは不安を募らせ、高い拘束性の有無を根拠として非正規の賃金格差が「正当化」される現実もある。
 経営者たちがついに本腰を入れ始める中、この現状を直視し、労働運動は今度こそジョブ型を「武器」にできるのだろうか。

〔対談〕
『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』『賃労働の系譜学』W刊行記念対談
資本主義から「こころ」を取り戻せるか
――心理と労働のカウンセリング現場から考えるこの社会への処方箋

東畑開人(臨床心理士)×今野晴貴(POSSE代表)

◆第一特集「労働運動は「ジョブ型」とどう向き合うべきか?」

エンゲージメントなき時代の処方箋としてのジョブ型
遠藤公嗣(明治大学名誉教授)×木下武男(労働社会学者(元昭和女子大学教授))×今野晴貴(NPO法人POSSE代表)

経団連のジョブ型推進と労働組合の交渉戦略
――雇用の流動化により労働条件の交渉力は高まる?

中村天江(連合総研主幹研究員)

職務の観点から人事制度を検討する
――公平で持続可能な社会の実現にむけて

秃あや美(跡見学園女子大学教授)


◆第二特集「ジェネレーション・レフト宣言!」

わたしたちが生きたい社会はわたしたちがつくっていく
――U30の政治参画を促進するNO YOUTH NO JAPANの視点から

能條桃子(NO YOUTH NO JAPAN代表理事)

グローバルサウスの視点から問う気候正義運動
ヒル・ダリア・エイミー(Fridays For Future Japan)

気候危機のアジアでジェネレーション・レフト運動を作るには
山本健太朗(豪NGO Market Forcesメンバー)

当事者とともに立ち上がり新たな社会をつくりだす反貧困運動
岩本菜々(家あってあたりまえでしょプロジェクト代表)

ジェネレーション・レフトは自動的に形成されない
――Z世代の社会運動から学び、新たな連帯の構築

斎藤幸平(経済思想家・東京大学准教授)

社会に大きな変化を起こしていくためには何が必要か?
――少数派であることを恐れず、想像力を解放し、自由に



◆ミニ企画「『外国人労働相談最前線』刊行記念 労働相談から見えてきた日本の外国人労働者の実態――解決に取り組むZ世代の社会運動

権利行使を通じて社会を変える
岩橋誠(NPO法人POSSEスタッフ)

技能実習制度廃止プロジェクトに取り組むZ世代
田所真理子ジェイ(NPO法人POSSEスタッフ)

日本の「外国人」労働者と難民・入管の実態
安田菜津紀(フォトジャーナリスト)


◆単発

資本主義から「こころ」を取り戻せるか
――心理と労働のカウンセリング現場から考えるこの社会への処方箋

東畑開人(臨床心理士)×今野晴貴(POSSE代表)

貧困理論から社会変革を構想する
橋本健二(早稲田大学教授)×志賀信夫(県立広島大学准教授)

既存の労働組合運動の「外側」で広がる新しいストライキとコミュニティユニオンの役割
青木耕太郎(総合サポートユニオン共同代表)

あらわになった公的機関による技能実習生「保護」の限界
――仙台の労働組合からの報告

森進生(仙台けやきユニオン代表)

アメリカ労働運動とジェネレーション・レフト―スターバックスやアマゾンの実践から
岩橋誠(NPO法人POSSEスタッフ)

保育士の声から市場任せの保育園運営に歯止めをかける
――労働組合で闘うことで見えた「脱市場的なケア」連帯の力

三浦かおり(介護・保育ユニオン共同代表)

熊沢誠『スクリーンに息づく愛き人びと』を読んで
坂倉昇平(本誌創刊編集長)


◆連載

LGBTQと労働運動の交差点 第7回
LGBTQ差別に抗議できない「プライドイベント」は誰のため?

遠藤まめた(LGBT系ユースの居場所「にじーず」代表)

父の過労死 会社と闘ってきた10年間 第3回
社会を変えていく人たち

高橋優希

映画のなかに社会を読み解く 第9回
障害

西口想(文筆家・労働団体職員)×河野真太郎(専修大学教授)

スポーツとブラック企業 第12回
怪我をする前に、スポーツ選手を止めなくては 大谷晋二郎、武尊の悲劇と、佐々木朗希の英断から考える

常見陽平(千葉商科大学准教授)

『資本論』体系と資本主義システムの形態変化 (2)
『資本論』の対象と構造

佐々木隆治(立教大学経済学部准教授)

ラダイトと脅迫状 第5回
「ラダイト主義が息を吹き返している」

萩田翔太郎

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POSSEとは

『POSSE』は日本で唯一の若者による労働問題総合誌として、2008年9月に創刊しました。NPO法人POSSEのスタッフが中心となり制作。労働・貧困問題をテーマに、現状、政策から文化までを論じています。

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